【コーリアン®と匠たち】
僕たちがコーリアン®を使う理由(1)

2020.06.01

Share on

  • facebookにシェア
  • tweetする

株式会社I IN:2018年設立。照井洋平氏(写真右)と湯山 皓氏(写真左)によるデザインオフィス。2017年まで、共に株式会社CURIOSITYに在籍し、グエナエル・ニコラ氏のもとで数々のプロジェクトを担当。豊富な国際経験を活かし、国内外の店舗、オフィス、住宅などの設計デザインを手がけている。

ディテールをコントロールする

国内外の数多くのプロジェクトを手がけ、さまざまな形でコーリアン®を使われているデザインオフィス「I IN」のお二人に、心に響く空間デザインを生み出すためのこだわりと、それぞれの案件でコーリアン®を選んだ理由についてお話をうかがいました。第1回のテーマは空間デザインにおけるディテールへのこだわりについてです。

「消す」と「出す」のバランスでデザイン

I INの手がける仕事はどの空間も端正で美しく、その場所を利用する人のためにすみずみまで心地よく整えられています。そこには、ディテールへのきめ細かい配慮が感じられます。「すべてのディテールにこだわるというより、メリハリをつけることを大事にしています」と照井さん。具体的には、ディテールに目が行かないように「消す」ことと、あえてポイントにする「出す」のバランスを常に考えているそうです。これまでにコーリアン®を使っていただいた案件でも、そうした手法が駆使されているといいます。

たとえば、アパレルブランドの世界観をオフィス空間に表現した「mastermind JAPAN」のヘッドオフィスでは、白と黒と光のみというミニマルな要素を用いて、空間の凸凹を消す(=感じさせない)デザインにすることで、奥行き、長さ、幅、重さのすべてが曖昧になった二次元のような空間をつくりあげています。ここでは、コーリアン®も厚みや重さを感じさせないディテールに仕上げられています。
 
「ワークテーブルの天板にコーリアン®のホワイトリプルを使用していますが、素材の厚みを消すために、側面の木と留め加工で仕上げました。そうすることで、一枚のごく薄い板が載っているように見えて、すごく軽く感じるんです」。このワークテーブル、実際には1mmだけコーリアン®が大きい天板勝ちの設計になっているそうです。さらにコーリアン®のエッジにアールをつけて、使う人の手や腕が触れたとき心地よく感じるよう細かく設計されています。「コーリアン®は精度の高い加工ができるので、木と突き合わせても、きれいに切り替えることができました。異素材と組み合わせてみるとまた面白さを感じる素材ですね」と湯山さん。

9mの一枚板で、デスクの存在感を出す

mastermind JAPANの例とは対照的に、コーリアン®️の存在感を強調するように使っているのが、トラベルエージェンシー「wondertrunk & co.」のオフィス。フリーアドレスのオフィス空間に置かれた長さ9mのワークテーブルはコーリアン®️アロールートで製作されています。
「人の出入りの多いアクティブなオフィスなのですが、全員で使うことのできる大きなサイズのテーブルを中心に置くことで、働く人同士の空間と時間をつなぎ、一体感や安定感を生み出したいと考えました」と照井さん。そこで、シームレスに大きな塊として加工できるコーリアン®️がテーブルの素材に選ばれました。9mの長さは継ぎ目なくつながり、デスク中央にコンセントを配置するために設けた、細長いスリットの蓋もコーリアン®️で製作。継ぎ目や機能をできる限り消すことで、大きな一枚板のように感じるよう工夫されています。

ディテールを考えるのが楽しくなる素材

「コーリアン®️はそもそも大判の製品であること、さらにシームレス加工ができるので、大きな塊として見せたいときにも使いやすいですね。特に、アロールートのような大きな柄をダイナミックに見せるには大判であるメリットは大きいですね。いろいろな加工ができるので、たとえば同じワークテーブルでも異なる表現ができるので、ディテールを考えるのが面白いです。ほかの素材ではできないかもしれないけれど、コーリアン®️ならできるかもしれないと発想が拡がります」とお二人。
 
次回は、お二人が素材選びで大切にしていることを伺います。

関連記事

コーリアン®レポート 記事一覧