【コーリアン®と匠たち】
僕たちがコーリアン®を使う理由(2)

2020.06.08

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素材選びで意識するのは「テクスチャー」

シンプルで美しい空間デザインを手がけるI INのお二人に、今回は、素材選びの基準についてお話をうかがいました。限られた要素の中で、心地よさや多様性を表現する鍵は、素材の選び方にあるようです。

手触りから生まれる味わいのある空間

「素材についてはテクスチャーを意識しています。もちろん、全体のバランスが重要で、メリハリをつけた素材選びを心がけていますが、人の手が触れる場所に使う素材は特に、テクスチャーを感じるものでないと、味気ない空間になると思うので」と照井さん。前回ご紹介した「wondertrunk & co.」のワークテーブルの素材にコーリアン®が選ばれた理由も「手触り」だったそうです。「テーブルの素材として求めていた機能性や加工性を備えていたことはもちろんなのですが、一番の決め手になったのは、手触りでした。何というか、独特な気持ちよさがあって。固いものなのに、固すぎず、触ったときの温度も常にフラットで、冷たくなることも、熱くなることもない。そして、どこか水気を感じるしっとり感。ガラスや金属は、触れるとはじかれるような感じがするのですが、コーリアン®は逆に受け入れてもらえるような感覚があります。仕事中、長い時間触れていても、きっと心地よいだろうなと思ったんです」と湯山さん。

白と黒の空間にもさまざまなテクスチャー

モノトーンのミニマルなデザインで、一見あらゆる要素をそぎ落としたかのように見える「mastermind JAPAN」のオフィスでも、素材の選び方にお二人のこだわりが感じられます。毛足の長い絨毯や流れ模様の壁紙、木目が残るように黒く塗装された家具など、白と黒の世界の中に、さまざまなテクスチャーが隠されています。ワークテーブルの天板に使われたコーリアン®も、白をベースに透明感や奥行きを感じる独特な模様の入った色柄が採用されています。手触りだけでなく、視覚的な効果も大きいと、湯山さんは語ります。「素材の見た目から感じる凹凸感とか、光に対するリアクションとか、テクスチャーがあるからこそ生まれるそういうものが、空間の色と混ざることによって、いろいろな表情のある空間になります。そうしたゆらぎが居心地のよさにつながり、常に変化が感じられることで、長く飽きのこないデザインになるのではないかと思っています」。

何かの代わりではない、本物の素材を選ぶ

コーリアン®は、手で触れたとき、そして、視覚的にも豊かなテクスチャーを感じると話してくださったお二人。「ほかの人工的な素材と大きく違うのは、この厚みではないかと思います。削っても、削っても、表情が変化しながら、ずっと柄がでてくるところは天然素材に限りなく近い性質ですよね。だけど、石では絶対にできないパターンの柄とか、微妙な透明感とか、コーリアン®ではなければ出ない素材感がきちんとある。それが面白いなと思っています。コーリアン®を使う理由として、加工性や機能性が用途に合うという部分はもちろんありますが、僕たちにとっては、石や金属と同じように、何かの代わりではない、本物の風合いを持つひとつの素材として、魅力を感じているからです」。
 
次回は、お二人の最近のお仕事やこれからの展望についてうかがいます。

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