旅の活力を養う食の場で
やさしい存在感を放つ ホテル阪急レスパイア大阪 グリリアート クオッカ

2022.10.31

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会計カウンターと8席分のカウンター席の機能を備えたメインカウンター。カウンター席では、気軽にドリンクやスイーツ、ランチを楽しむことができる。

 国内外からの観光客が思い思いに食事を楽しむオールデイダイニング。ホテル阪急レスパイア大阪のイタリアンダイニング「グリリアート クオッカ」は、1030室に滞在する宿泊客の朝食会場としても利用され、222席を有する店内は天井も高く開放的。その広い空間で堂々たる存在感を放つ3つのカウンターはコーリアン®「ニュートラルコンクリート」で製作されている。レストランの入口でお客様を出迎えるメインカウンター、薪窯のあるオープンキッチンとつながるビュッフェカウンター、そして食器類の収納もできるもう1つのビュッフェカウンターは、いずれも角に丸みのあるデザインでやさしい印象ながら、シームレス加工で生み出されたソリッド感とその大きさが印象的だ。
 「塊でありながら丸みがあるという、3D CADで自由に描いたようなデザインをそのまま具現化できたのは、加工性の高いコーリアン®︎だからですね。ジョイントが目立たないという最大の利点に加えて、加工の手間が少なくすむ点でも実用性の高い素材だと思います」と話してくださったのは、レストランを含むホテル全体のデザインを手がけたイリアのデザイナー、川﨑かさね氏。
 「ビュッフェカウンターは、常にお客様の目につく場所にあるので、その仕上がりは空間全体のクオリティにも影響します。表現したいデザインや、必要な機能を埋め込むためのいろいろな加工に耐えられることが素材選びの一つの基準になります。コーリアン®は無垢材なので小口の処理が必要ないというのは助かりますね。もちろん汚れに強い素材ということが大前提です」。

2つのビュッフェカウンターには、朝食時、数十種類の多彩な料理が並ぶ。「ニュートラルコンクリートは、その名の通り、ニュートラルな雰囲気を持っていて、お料理が映える背景にもなっていますね」と川﨑氏。

 また、阪急阪神グループの新ブランドホテルであることから、素材選びには別の視点でもこだわりがあったという。
 「阪急さんといえば、私鉄による多角経営のビジネスモデルを生み出した“先駆者”というイメージがあります。そのイメージにふさわしく、コンテンポラリーな発信をするという要素をデザインにも取り入れたいと考えました」。
 そこで、インテリアの素材には新しいものを積極的に取り入れたという。たとえばレストラン内の床材には、機能とデザイン性を併せ持つ塩ビ系の糸で作られた織物床タイルを採用している。
 「床材は天然素材ではないけれど、織物という点では本物であると言えます。表面だけ何か別の素材を真似たものとは違う、存在感の強さがあります。こうした新しい素材との親和性を考えたときに、無垢材の本物感を持ち合わせる、人工大理石コーリアン®との相性がとてもよいと思いました」。

メインカウンターの側面には、「Grigliato CUOCA」のロゴが切り抜かれている。

 今回使用された「ニュートラルコンクリート」は、温かみのあるグレー系のカラー。モダンすぎず、ホスピタリティを感じる色合いがホテルという場にふさわしいと選ばれた。
 「コンクリートという名前がついていますが、なんとも言えないやわらかい質感と色ですね。マットでやさしい印象ですが、コーリアン®自体の存在感があるので、遠目に見ても、ここにカウンターがあることをすぐに認識していただけると思います」と川﨑氏。多彩な色柄だけでなく、コーリアン®が持つ唯一無二の存在感そのものが、デザイン表現の具現化に貢献し得ることを教えていただいた事例だ。

【ホテル阪急レスパイア大阪 グリリアート クオッカ】
 https://www.hankyu-hotel.com/hotel/respire/osaka
●デザイン/株式会社イリア
 https://www.ilya.co.jp/
●施工/株式会社J.フロント建装
コーリアン®加工/株式会社フューチャーストーン
●使用色/ニュートラルコンクリート