デュポン・MCC株式会社
2022.10.31
大阪市住吉区にある創立65年を迎えた理学療法士・柔道整復師・鍼灸師など医療従事者を養成する関西医療学園専門学校は2022年4月の歯科衛生士学科開設に併せて、新校舎を建設した。天井高をあげた開放的なデザインのガラスファサード越しに見えるのは、左の壁一面の本棚、そしてテラゾー柄で統一されたベンチとテーブルが整然と並ぶ、清潔感あふれる空間だ。
その設計を担当した株式会社イースペース設計(大阪市・中央区)の近藤圭氏にお話をうかがった。「ロビーフロアの設計テーマは、“ラーニングコモンズ空間” を作ることでした。大きなテーブルに生徒さんが自然と集まり、授業以外の時間にも教科書を広げながらディスカッションをしたり、皆で協力しながら学ぶことができる開放的なスペースにしたかったのです。」学びを深めるこうした学習空間は、その必要性が認識され、近年は多くの教育機関に設置されているという。
「テーブルとベンチを
長さ6000㎜、幅1200㎜のテーブルを2台製作。内部にはH型鋼の門型フレームを2列に配し、十分な強度を確保した。また、内部の構造材を鋼板で覆い内側からテーブル全体を支えている。その結果、テーブルの長手方向には脚がなく、天板の接地部は両端の側板のみですっきりとしたデザインになっている。なお、この椅子のデザインは株式会社チェリアの家具デザイナーによって特別に製作されたものだ。座面の生地は、テーブルと調和するグレーの色調が選択され、ひじ掛け部分は、洗練されたスマートで美しいフォルムだ。そのひじ掛けとテーブルの高さがピッタリと合っていて、テーブル2台と椅子20脚が揃う全景を少し離れてみると、そのスリムな見付により、ロビーの空間をより広く感じることができる。
テーブルに使用された
「テーブル近くには同じ色柄で製作されたベンチも置かれていて、より一層、統一感を感じるデザインになったと思います。穏やかで、落ち着いた雰囲気を感じることができて、上手くまとまりました。」と同設計事務所の小林室長が語ってくださった。
入り口付近には、デザイナー北山孝雄氏のパブリック・アート”ミスネッシー”のアート作品が置かれており、生徒さんはもちろんのこと、道行く人の目を和ませてくれている。設計者とデザイナーの想いが詰まったこの新校舎は街と人をつなぐシンボルになってくれるはずだ。
【関西医療学園専門学校 新館新築工事】
●設計・監理/株式会社イースペース設計
http://e-space06.com/contents/service/
●家具デザイン/株式会社チェリア
●
●使用色/グレイッシュテラゾー