進化を続ける、未来のサイン 株式会社ダイカン 大阪ショールーム

2022.10.12

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ショールームの入口付近。同社オリジナルのプロジェクションマッピングで来場者を魅了する。

 株式会社ダイカンは2019年に創業55周年を迎え、同年に大阪市浪速区パークスタワーにショールームを開設した。このショールームにはLEDサインをはじめ、樹脂製、金属製、さらにデジタルコンテンツと融合したサインなど、最先端のサイン技術と製品が一堂に展示されている。このショールームの一角に、コーリアン®と同社が製作するLED発光装置を融合させた内照式のサインが2種類展示されている。
 1点目は、コーリアン®「ゴールデンオニックス」の土台へ「ホワイトオニックス」をシームレスジョイントした受付テーブルだ。上部の「ホワイトオニックス」の表面に会社ロゴを切削、下部の「ゴールデンオニックス」部分には裏面から縞模様を切削することで、それぞれの光り方の違いを見ることができる。
 ダイカンの仁義健・代表取締役専務にお話しをうかがった。
 「シンプルに光らせる、表から彫り込んで光らせる、裏から彫って光らせるなど、それぞれの風合いや視認性に差があります。切削はCADで設計した後、NCルーターで行っていますが、コーリアン®は木工的な切削加工も可能で、切り口がとてもきめ細かく仕上がります。こういった利点があるので精密な表現も可能になり、また、完成後の品質も安定しているので、安心して使用できるデザインマテリアルだと評価しています。今後は店舗やオフィスのサイン以外にも、商業施設のテーブルなどの什器でも使えるデザイン要素の一つになると思います」。

内部LEDを点灯すると一瞬にして印象が変わり、華やかな雰囲気になる。表面を切削したロゴ部分はエッジが強く光り、裏面を切削した部分は色柄が優しく浮かび上がる。

 2点目の誘導サインも兼ねたベンチは、堅牢な印象のコーリアン®「カーボンアグリゲート」に光を透しやすい「グレイシアアイス」で文字と矢印を象嵌した。誘導サインとベンチの機能を併せ持つデザインはユニークで実用的だ。触れてみると、表面と文字部分に段差が一切なく、とても滑らかな仕上がりになっている。
 「板と文字の間にクリアランスはありません。種明かしをすると、文字パーツをはめるスペースの側面と、文字パーツ自体の側面、この両方にテーパーをつけて、背面から正面に向かって幅が狭くなる設計になっています。実は弊社のNCルーターの刃物自体に角度を付けているのでこのような特殊な切削が可能なんです。最後に文字パーツを本体へはめ込み、表面側へ飛び出た文字パーツを削り落として平滑に仕上げています」。そう語るのは営業部国内事業グループの北上豊志氏だ。また仁義専務はこう続ける。「この加工方法は、釘を使わない箱根の寄木細工と似ています。文字パーツも本体部分と同じ素材のコーリアン®にすることで、より一体感が生まれ、サインとしての完成度が高まりました」。

象嵌加工した文字は視認性に優れている。床に当てた間接照明により存在感を増す。

 今回のこの2点の展示は従来からあるサインとは趣が異なり、コーリアン®の特徴を存分に生かし、可能性をさらに広げている。同社の高度な技術力、強い探求心、真心を込めたモノづくりの精神とコーリアン®の高い加工性とのコラボレーションで、「未来のSign&Display」はますます多様化していくことだろう。

【株式会社ダイカン 大阪ショールーム】
●住所/〒556-0011 大阪市浪速区難波中2-10-70 パークスタワー28F
 TEL:06-6551-2020
 https://www.daikan.ne.jp/
●設計/株式会社ダイカン
コーリアン®加工/マーブル建材株式会社
 https://marble-kenzai.co.jp/
●使用色/ゴールデンオニックス、ホワイトオニックス、カーボンアグリゲート、グレイシアアイス