PHOTO:@Shinichi Sato
デュポン・MCC株式会社
2022.10.12
PHOTO:@Shinichi Sato
六本木交差点を飯倉方面へ向かって外苑東通り沿いに歩くと、ビル群の合間に突然視界が開け、波の動きを象った、高低差のある白壁と共に芝生+ウッドデッキの広場が現れる。ここは2020年に完成した一般財団法人BOATRACE振興会の複合施設『SIX WAKE ROPPONGI』だ。オフィス棟とホール棟の間に憩いのスポットとして屋外広場『SIX WAKE GARDEN』が設けられ、ガラス張りの壁が湾曲するビルの外観とも呼応して、都心に自然豊かな景観を創り出している。
起伏に富んだ広場のデザインはボートレースで競う6艇が走り過ぎた後に残る航跡とダイナミックな引き波を、
「構想を練る前にまずはボートレースを観戦して臨場感を味わってみようと思い、ボートレース場に行って実際に賭けてみました。そのとき、人が勝負を見極めるときに頼るのは、わずかな風向きの変化や波の立ち方、選手の調子などに感覚を研ぎ澄ませることで得られる一瞬のひらめき、つまり第六感だと感じたのです。だったらそれを広場のコンセプトにして、人々の “シックスセンス”を心地よく刺激する環境を六本木に創り出そうと思いました」と語る。
ウォール素材を選ぶにあたっては、曲げ加工がしやすいだけでなく、屋外なので耐候性や耐久性の高さも必須条件となる。加えて小野寺氏がこだわったのが「白」の美しさだ。
「波のうねりが造形できて、風雨や暑さ寒さにも強く、しかも変色せずに白さをずっと保つことのできる素材となると、コーリアン®が適材でした。ただ、白といっても
『SIX WAKE GARDEN』のウッドデッキを進むと奥は高い壁で囲われた居心地のよいラウンジになっており、飲み物を手にくつろいだり、ホールで開催されるイベントを観覧できるスペースとしても活用されている。このラウンジのカウンターも、彫り込みの手すりも
四角いビルが林立する六本木で、有機的な曲線デザインのオープンスペースに出会うと心がほっと和む。ときに緑の中を蝶々が舞い、秋には虫の音も聞こえるという。『SIX WAKE GARDEN』は都会で暮らす人のオアシスのような存在として親しまれ続けることだろう。
【SIX WAKE ROPPONGI】
●デザイン・設計:EARTHSCAPE INC.
http://www.earthscape.co.jp/
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●使用色:グレイシアホワイト