ニューノーマル時代のオフィス空間に溶け込む
コーリアン®カウンター キリングループ本社リニューアル工事

2022.9.5

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PHOTO:YOSHIHITO IMAEDA

リニューアル後のキリンホールディングスの総合受付エントランス。
ガラス柵に沿う形で、平面的に楕円を描くコーリアン®の受付カウンターを配置した。カウンター左右のゲートから人が出入りする。

 食品大手のキリンホールディングスは、グループの各本社が入居する東京・中野のオフィスをリニューアル。2022年6月から全フロアの供用を開始した。新オフィスで来訪者をまず出迎えるのが、窓まで視線が抜ける開放的な総合エントランスだ。正面に配したコーリアン®のカウンターに、すっきりと自動受付システムが収まっている。
 コロナ禍を契機として、キリンHDは国内全グループの社員約2万人を対象として「働きがい改革」を実施、リモートワークや、シェアオフィス整備などを進めた。今回のオフィスリニューアルのコンセプトは「思いや熱意がつながるSTADIUM」。働き方が多様化するなかで、オフィスの在り方を再考。社員同士がリアルにつながり、チームビルディングを達成する場、そして社員が熱意をもって企業ブランドを感じイノベーションを生み出す「共創空間」を目指した。
 リニューアルにあたり完全なフリーアドレス化を導入したが、新オフィスには人が集まる仕掛けをいくつも用意した。総合エントランスに接する広々としたオープンスペースはその1つ。社員同士で打ち合わせをしたり、カーテンで仕切って懇親会をしたりすることもできる。こうした共創空間はリニューアル前に比べ約2割増えた。

鏡面仕上げを施したコーリアン®受付カウンターのアップ。照明と共に「聖獣麒麟」が投影され、一層輝きを増している。

 総合エントランスには様々な事業領域にまたがるグループ全体の顔として、キリングループのシンボル「聖獣麒麟」を印象的にあしらった。一方、自動受付カウンターの製作においては、多くの人を出迎える場であるため、明るさや清潔感を重視し「白さ」にこだわった。そのイメージにマッチしたのはコーリアン®「ソルト」という白系の色柄だった、とリニューアルプロジェクトに事務局として携わったキリンビジネスエキスパート・総務サポート部(当時)の山田俊和氏は説明する。
 総合エントランスでは、緩やかにカーブする間仕切りに沿い、受付カウンターも楕円を描く。天板と側板はシームレスジョイントで継ぎ目が目立たず、美しい仕上がりになっている。また、艶出し加工を施した天板の奥には、スリットを設けてケーブルを収め、カウンター内部には各種機器類を収納した。
 「カウンターは、まるで一枚板のように見えます。非常にきれいに仕上がって、全体の抜け感と相まって、期待以上の仕上がりでした。コーリアン®はメンテナンス性にも優れているので、綺麗さを保つには施設管理の面でも非常に良いですね」(山田氏)

正面から見た役員専用フロアの受付カウンター。

役員専用フロア受付カウンターを、向かって右側からアップで見た。天板と側板の取り合いにアールをとったことで、柔和な印象を与えている。

 今回のリニューアルでは、役員フロアも改装。各役員の個室を廃し、会議機能に特化させた。このエントランスの意匠には、「和」を感じさせる落ち着いたデザインを採用した。
 同フロアの受付カウンターにも、天板及び側板の一部にコーリアン®が採用されている。側板には主に無節の木質仕上げ材を併用、また、天板と側板の取り合いにはアール加工が施され、シャープさと柔らかさを感じるデザインだ。そのカウンターを正面から見ると、コーリアン®と木と照明の組み合わせが壁面のデザインと調和して、上品で落ち着いた空間を創り出している。

キリングループ本社リニューアル工事
●設計・施工/株式会社オカムラ
●コーリアン®加工/株式会社ライト
●使用色/ソルト(総合受付カウンター)、
ホワイトジャスミン(役員専用フロア受付カウンター)