デュポン・MCC株式会社
2019.09.03
キッチンやインテリアなど、日々の暮らしに寄り添いながら空間に個性を与えてくれるデザインを手がけている濱田淳さん。2019年の新色を使ったキッチン&洗面シンク「ノエルス」※のアイデアが生まれたきっかけから、製品として形になるまでを全3回のシリーズで紹介します。
ご自宅兼事務所でも、キッチンシンクにコーリアン®を採用されている濱田さん。これまでにも、異素材との組み合わせやすさ、加工のしやすさなど、コーリアン®の特性を生かしたキッチンを提案されています。
「2019年の新色のサンプルを手にとって見ていると、板の表と裏がまったく違う表情のものがあって、面白いなと思いました。しかも裏面も、“いかにも裏”という感じではなく、それはそれで、一つの柄として成立しそう。まるで別のもののような表面と裏面を同時に見せることができたら、そのギャップが新鮮だし、コーリアン®の使い方としても新しい提案になるかなと考えました」と濱田さん。そして完成したのが、コーリアン®の一枚板から作ったシンクと金属の脚を組み合わせたミニマルな洗面シンク。使用したのは、表裏のギャップが際立つシルバーリニア、ドミノテラッツォの2色でした。
実は「ノエルス」は、濱田さんのオリジナルデザインとして既にリリースされていたキッチン&洗面シンクのシリーズでした。ただし、既存のデザインはカウンタートップに埋め込むスタイルで、シンクの内側、つまりコーリアン®の表面だけが見えていました。「新色を使ったシンクは、板の表と裏と、さらに3つめの面として小口も見せるために、カウンタートップとは組み合わせず、シンクだけを取り出してスタンドと合わせるデザインに仕立てました。言い換えれば、板そのままをいかに使うかという発想ですね」。
「無垢材であるコーリアン®は、柄によっては、裏が別の柄として成立するものもあります。製品として意図した使い方ではないかもしれませんが、裏を隠さなくてよいということは、デザインの自由度も高くなるので、コーリアン®ならではの新しい提案が増えるかもしれせんね」と濱田さん。無垢の木の板のように、表裏を同時に見せることができるという、新しい個性の発見により、コーリアン®の使い方が変わっていくかもしません。