PHOTO:YOSHIHITO IMAEDA
デュポン・MCC株式会社
2024.8.30
PHOTO:YOSHIHITO IMAEDA
株式会社MonotaRO(モノタロウ)は、現場を⽀えるネットストア運営で右肩上がりの成長を続け、国内の間接資材のB2B通販でトップシェアを誇る企業である。同社は2023年11⽉、本社を兵庫県尼崎市からJR⼤阪駅直結の「JPタワー⼤阪」に移転し、新たなスタートを切った。新本社では働きやすさとコミュニケーションの取りやすさを重視した設計デザインを採用。1フロア約1200坪の広さを持つ2フロアを吹き抜け階段で繋ぐことで、お互いの顔が見えるオープンな空間を作り出している。
「壁の仕切りも極力減らして動線を良くし、知らない社員同士が顔を合せて気軽に交流できるようにしています。社員が積極的に出社したくなるような居心地の良い空間づくりをしたいと考え、観葉植物や木目調のインテリアをふんだんに取り入れて、くつろぎやすく開放感のある温かみのある雰囲気にしました」と人材組織開発部門の堤成郎氏は語る。その背景には “セレンディピティ(幸運な偶然の出会い)”をきっかけに部門等の垣根を越えて社員がコラボレーションし、そこから生まれるアイデアや学びでイノベーションを促進させたいとの思いがある。
こうした環境づくりの象徴ともいうべき場所が、広いオープンスペースに設けられたカフェ「MONO CAFE」だ。自由に利用できるコーヒーサーバーが用意されており、仕事の合間にリフレッシュしながら談笑するなど、社員同士の交流を促す場となっている。
カフェに入ると目を引くのがコーリアン®で造作された、全長16m超に及ぶカフェカウンターだ。設計デザインを担当した株式会社ディー・サインの沼尾知哉氏に話をうかがった。
「カフェカウンターを思いきり大きくしたのは、人が行き交いコラボレーションの核となるカフェスペースのアイコンにしようと考えたからです。人の流れが誘発されるよう、フロア入口からの動線に沿って斜めに角度をつけ、通りやすくしています」。
コーリアン®を選んだ理由は、継ぎ目がほとんど見えず、一体成型したかのような自然な仕上がりにできるからだという。カフェカウンターなのでメンテナンス性も重視した。耐水性に優れていることや、汚れが染み込みにくく、水拭きで十分きれいになることも決め手となった。
「空間に植物や陽光などの自然を取り入れたバイオフィリックデザインをテーマにしていたので、その点でもコーリアン®が良いと思いました。自然の風合いが感じられる素材なので木目や植物と調和しますし、手触りもしっとりしていて温もりが感じられます。カウンターの面積が大きいので、単調にならないよう、色柄はグリーンがかった流れ模様が美しい“セージブラッシュⅡ”を選びました」。
カフェ以外の造作カウンターにもコーリアン®が効果的に使われている。コピー機やウォーターサーバーが並ぶスペースに設置されたユーティリティカウンターは、漆喰のような優しい味わいを持ち、書類を広げたときにも書類が見やすい色合いの「シックイベージュ」。来客を迎えるエリアの窓辺にあるレセプションパントリーのカウンターは、白く清潔感がある「シラスホワイトⅡ」で造られている。どちらもナチュラルな内装と調和して、心が和む美しい環境を創り出している。
「新本社は社員にも大好評です。カフェカウンターで他部署の人と出会って、美味しいコーヒーを飲みながら挨拶を交わすなど、自然に新たな交流をもたらすスポットになっています。狙い通り、セレンディピティが生まれやすい共創スペースになりました」と堤氏は笑顔を浮かべる。
居心地の良いオフィス環境の中で多様な経験、専門性、個性を持つ社員の一人ひとりが輝き、そこから創出されるアイデアがさらなるイノベーションを生み出す。新本社への移転を機に、さらなる飛躍を目指すMonotaRO(モノタロウ)の今後がますます楽しみだ。
【株式会社MonotaRO 本社】
●設計・デザイン/株式会社ディー・サイン
●コーリアン®加工/和田商事株式会社
●使用色/セージブラッシュⅡ、シックイベージュ、シラスホワイトⅡ