“お菓子の発信基地”を引き立てる、
しとやかな什器デザイン
ヨックモック東京駅一番街店

2022.11.18

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PHOTO:YOSHIHITO IMAEDA

什器を含めて白で統一された内装にヨックモックブルーのアクセントパネルが気品高く調和する東京駅一番街店。巨大シガールのポールが出迎えてくれる。

若い世代にアピールできる店舗に

 ヨックモックといえば、サクサクとした軽い口当たりとやさしい口溶けのロール状の焼き菓子「シガール」でお馴染みだろう。半世紀を超える歴史を持つ洋菓子製造・販売の老舗企業で、全国の百貨店や商業施設に店舗展開している。そのなかでもひときわ賑わいを見せる東京駅一番街店が、2022年9月、少し場所を移して装いも新たにリニューアルオープンした。
 東京駅の八重洲地下中央口改札を出て左手に進むと、白を基調とした内装に深みのあるヨックモックブルーのアクセントパネルが鮮やかに映えるエレガントな店舗に出会う。巨大シガールのポールや店舗限定商品のクッキーシューを積み上げたタワーなどユーモアのあるディスプレイも楽しく、行き交う人々の目を惹きつける。この店舗の什器にコーリアン®が使われている。
 「ヨックモックのお菓子はお歳暮やお中元といった贈答品としての人気も高く、あらゆる世代の方にご愛顧いただいていますが、今回は往来の多い東京駅という立地を生かして、若いお客様によりアピールできる店舗づくりにチャレンジしました。『笑顔をつなぐお菓子の発信基地“Sweets Station”』をコンセプトに、お客様が自由に回遊し、商品を手にとってレジまでお持ちいただける売り場にしています」と同社ブランディング部の福地亮介氏は語る。

ガラスのディスプレイケースの下に商品の陳列棚を設けたL字型の壁面什器。底部に間接照明を組み込んで美しい浮遊感を演出している。

売り場に柔らかで美しい一体感を

 コーリアン®のカラーは白の中でも焼き菓子の生地の色に近い「ライスペーパー」が選ばれた。設計デザインを担当した株式会社京屋の奈良浩二氏は、コーリアン®の上品で奥ゆかしい素材感を「しとやかさ」と表現する。
「ヨックモックの高級感を保ちつつ、若いお客様も立ち寄りたくなるような遊び心のある店舗を創ろうと考えたとき、什器に求めたのがしとやかな質感でした。コーリアン®には木材とはまた違った上質のしっとり感があって優雅な雰囲気が醸し出せますし、お客様が触れたときも心地よく感じていただけます。什器のエッジに丸みを持たせたかったので、天然石では難しい角アール加工ができるのも魅力でした。思い通りのアールが出せて、接着ラインも目立たないので、売り場に柔らかで美しい一体感が生まれます」と奈良氏。また、機能面においてはすべての什器にストックスペースを設けているので、陳列商品の補充もスムーズだ。
 季節商品を並べたワゴン型の什器にも目を見張った。前面に透かし彫りで描かれた “yoku moku”のサインのお洒落なこと。「ルーターではきれいに出せないロゴの繊細なラインやシャープなピン角をウォータージェットでくり抜いて実現しました。こうした工芸品のような加工ができるのもコーリアン®の良さですね」と奈良氏は語る。

入り口近くに置かれた季節商品を陳列するコーリアン®のワゴン。ウォータージェット加工で実現した透かし彫りの繊細なサインが印象的だ。

 間接照明の優美な光に彩られた店内にはシガールをモチーフにしたペンダントライトが吊るされ、よく見ると壁紙にもシガール模様が描かれているなど、ヨックモックファンの心をつかむ楽しい仕掛けが随所に施されていた。「若いお客様からの反響も上々で、巨大シガールやクッキーシューのタワーと一緒に記念写真を撮っていく方もいらっしゃいます」と福地氏は顔をほころばせる。早くも東京駅一番街で話題のスポットとなっているようだ。

東京駅一番街店でしか買えないクッキーシューのタワー。コーリアン®のしっとりとした素材感を生かした什器が焼き立てスイーツらしい魅力を引き立てている。

【ヨックモック 東京駅一番街店】
●デザイン・内装施工:株式会社京屋
コーリアン®加工:株式会社シーアール
●使用色:ライスペーパー