生き生きと緑に彩られ力強く佇むキッチン
クチーナ 大阪ショールーム

2022.9.5

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PHOTO:YOSHIHITO IMAEDA

これまでショールームに展示するキッチンはサイズが大きく、実際にお客様に納品する場合のスケール感が分かりにくいという課題もあったという。そこで、キッチン部分は2570mmというスタンダードなサイズとし、手洗いカウンター1550mmをつなげることで、展示品としての存在感と、現実的なサイズを両立する解決策も盛り込んだ。

大地をイメージしたワークトップ

 クチーナ 大阪ショールームに展示されている「ボタニカル」をテーマにしたキッチンは、自然の中にいるような心地よいエネルギーに満ちあふれ、その場で生まれる料理やコミュニケーションにもポジティブな影響を与えてくれそうな雰囲気を持っている。
 同社では従来、設計担当が新しい提案を盛り込んだキッチンをデザインし、ショールームに展示しているが、このキッチンは、営業・設計・ショールームの担当各一名がチームを組み、それぞれのスキルを持ち寄って企画から製作まで共同で作業を進めるという新しい試みによってつくられたという。そこで、製作チームの奥村優貴氏(営業担当)、土佐道子氏(設計担当)、辻井晴子氏(ショールーム担当)にお話を伺った。
 「グリーンと調和するキッチンにしたいとプランを考えました。扉材には自然に生えた木の幹や枝を想起するような柄を、そしてワークトップには大地の雄大さを感じるコーリアン®“ラバロックII”を採用しました。また、ワークトップの端に円形の開口をいくつか設けて植物を飾り、その延長にオアシスをイメージした手洗いボウルを配置しています」と奥村氏。
 さらに、バックキャビネットのバーコーナーには、植物の生命感をイメージさせるコーリアン®「ジェイドオニックス」が採用され、背面からの照明効果と相まって、キッチン空間全体でグリーンとの調和というテーマを表現している。

バックキャビネットに組み込まれたバーコーナーの背面は「ジェイドオニックス」。LEDの光を当てて有機的な柄を際立たせる演出で、木漏れ日のような癒しも感じるコーナーになっている。

アールにくりぬいた部分の小口は、コーリアン®のシートを積層して削っている。「“ラバロックII”のような柄であれば、積層しても継ぎ目の筋が気にならないだろうと考えていたのですが、仕上がりも予想通りでした」と奥村氏。

 奥村氏の作成したユニークな基本プランに添って設計を進めたのが土佐氏だ。「展示スペースとして用意されていたのはビルの構造柱が大きくせり出した場所だったため、変形のプランになりました。奥行きの浅いスペースを生かす手洗いカウンターを二段にすることで、キッチンのワークトップとダイニングテーブルで構成される二つの水平ラインをさらに延長することができるのではないかと考えました」。
 手洗いカウンターを含めるとワークトップの長さは4120mm。さらにその先には、同じく「ラバロックII」をトップに採用したダイニングテーブルが連なっている。
「4m超という総寸法や変形のデザイン、アールの加工を用いることなどを考えると、ワークトップの素材はコーリアン®でなければ実現が難しい条件でした。このキッチンに限らず、切ったり、つないだり、どんな形状にも加工できて、何かあったときにもメンテナンスしやすいという点でも、コーリアン®︎は安心感のある素材です。現場で加工できるところも強みで、間口や開口部の寸法調整をそれほどシビアに考えなくてもよいというのは助かっています」と奥村氏。

濃色の持つイメージを刷新

 今回、濃色の「ラバロックII」を採用したことで、新たな知見を得ることも出来たと、辻井氏。「以前から、ワークトップを濃色にしたいというご要望が多かったのですが、私どもとしてはコーリアン®の濃色は傷や手垢が目立ちやすいという印象がありました。ところが、「ラバロックII」のワークトップを2年ほど展示してみて、手垢や傷は気にならず、継ぎ目も目立ちにくいことが分かりましたので、自信を持ってお勧めすることができるようになりました。色合いも好評で、主張しすぎず、どこかレトロな雰囲気が漂って、落ち着きのあるところもよいのではないでしょうか。和のインテリアにも馴染みそうですね」。
 ご紹介したキッチンは、現在、写真の場所から移動して展示されているが、床や壁など周りの素材が落ち着いた雰囲気に変わっても、力強い生命感はそのままに、モダンな空間にも調和するデザインであることを証明している。

コーリアン®は肌触り、手触りが優しい素材ですね。コップなどを置いたときも、音が優しいので、手が触れるところ、食事をする場にもぴったりだと思います。ダイニングテーブルも同素材で作っていますので、その特性が十分に味わえる展示になったと思います」と辻井氏。

 ※ご紹介しているキッチンの見学をご希望の場合は、ショールーム来場前にお電話にてお問い合わせください。

【クチーナ 大阪ショールーム】
●住所/大阪府大阪市西区南堀江 1-7-1
TEL.06-6533-3461
https://cucinastyle.jp
●デザイン・設計/株式会社モーリショップ大阪支店
●使用色/ラバロックII、ジェイドオニックス