
デュポン・MCC株式会社
2025.02.14
キッチンを選ぶ際に、「システムキッチン」と「オーダーキッチン」という言葉を耳にすることが多いのではないでしょうか。どちらもキッチン設備の種類を指しますが、デザイン性や機能性、価格などの面で大きな違いがあります。本記事ではそれぞれの特徴を比較しながら、どのような人に向いているのかを解説していきます。
新築やリフォームを計画する際、キッチンに予算を割くというご家庭も増えてきています。キッチンは住まいの中でも多くの時間を過ごす場所であり、こだわりを持って仕様を検討したい、という方が多いためです。しかし事前に選択肢を知らないと、深く検討せずハウスメーカーや工務店のプランの中から選んでしまったり、キッチン以外の仕様から固めていったことで、キッチンを決めるときに様々な制約が出てしまい理想のキッチンを導入できないなど、失敗の例もよく耳にします。そういった後悔を減らすためにも、まずは基本的なキッチンの種類から理解していきましょう。
システムキッチンとは、キッチンの各パーツ(シンク、コンロ、作業台、収納など)が一体化された、あらかじめ設計・製造されたキッチンシステムのことを指します。日本国内では最も一般的なキッチンのスタイルで、新築住宅やリフォームにおいて幅広く採用されています。システムキッチンは手軽に導入でき、機能性やコストパフォーマンスに優れている点が特徴と言えます。特に、標準的な設備で十分と考える方や、施工の手間を抑えたい方はシステムキッチンを導入する場合が多いです。
オーダーキッチンとは、空間や利用者の希望に合わせて、一から設計・製作するキッチンのことです。「カスタムキッチン」とも呼ばれ、個々のニーズに応じたデザインや機能を持たせることができます。店舗や高級住宅などで採用されることが多いですが、最近では一般家庭でもこだわりのキッチンを作るために導入されるケースが増えています。オーダーキッチンは「自分だけの理想のキッチンを作りたい」というこだわりを持つ人に向いている選択肢です。特に、料理にこだわる方や、インテリアに合わせてキッチンをデザインしたい方に最適です。
このように、システムキッチンは「機能性とコストのバランス」を重視する方向け、オーダーキッチンは「自由度の高いカスタマイズ」を求める方向けという違いがあります。次の章以降では、さらに詳しくシステムキッチンとオーダーキッチンのメリット・デメリットを比較し、それぞれがどんな人に適しているのかを解説していきます。
また、好みのキッチンを実現する上で、キッチンの素材選びは重要なポイントです。詳しく知りたい方はこちら「キッチンシンクに人工大理石を選ぶメリットは?注意点やステンレスとの比較を解説」を参考にしてみてください。
システムキッチンは、多くの住宅で採用されている一般的なキッチンスタイルですが、すべての人に最適とは限りません。ここでは、システムキッチンのメリットとデメリットを詳しく解説していきます。
システムキッチンはユニット化されたパーツを組み合わせる設計になっているため、施工がスムーズに進みます。新築住宅ではあらかじめ決められたレイアウトに合わせて設置でき、リフォームの場合も既存のスペースに適合しやすいです。工期は最短1日〜2日程度で設置が完了することが多く、工事の手間が少ないのが大きなメリットです。
大手メーカーによる規格品のため、大量生産によるコスト削減が可能で、比較的手頃な価格で導入できます。標準仕様のものは数十万円台から選ぶことができ、高級仕様を選んだとしてもオーダーキッチンよりはコストを抑えられることが一般的です。
システムキッチンは、メーカーごとに最新の技術や機能が搭載されています。引き出し式収納、静音シンク、汚れがつきにくいワークトップ、排水口の抗菌加工など、日々の使い勝手を考慮した設計がされています。ビルトイン食洗機やIHクッキングヒーター、自動水栓などのオプションを選択することで、利便性を向上させることが可能です。
システムキッチンは、ワークトップやキャビネット、収納扉などが統一されたデザインで設計されており、インテリアに馴染みやすい仕様になっています。メーカーごとに豊富なカラーバリエーションやデザインが用意されているため、希望するスタイルに近いものを選びやすいです。モダン、ナチュラル、クラシック、北欧風など、多様なテイストの商品があるため、好みのキッチンを選ぶことができます。
システムキッチンは、メーカーがあらかじめ決めた仕様に基づいて設計されているため、細かいカスタマイズができないのが難点です。例えば、「コンロの位置を左右逆にしたい」「収納の高さを変えたい」といった希望があっても、規格外のカスタマイズには対応できない場合があります。
システムキッチンは、一般的な住宅向けに規格化されたサイズで作られているため、変則的な間取りや特殊なスペースには適応しづらいことがあります。例えば、幅が極端に狭いキッチンや、梁や柱が干渉する場合など、設置が難しいケースがあります。また、海外製の設備(ガスコンロやオーブンなど)を組み込むのが難しい場合もあります。
システムキッチンには多くのデザインバリエーションがあるものの、完全オリジナルのデザインを作ることはできません。例えば、「木製のカウンターにしたい」「特定の天然石を使いたい」「オープン収納にしたい」といった特別なデザイン要望には対応できないことが多いです。そのため、インテリアに強いこだわりがある人にとっては、選択肢が限られる可能性があります。
システムキッチンは、一体型のため部分的な交換やリフォームがしにくいというデメリットがあります。例えば、「ワークトップだけ交換したい」「収納スペースを追加したい」といったリフォームをする場合、全体を取り換える必要があるケースもあります。特に10年~15年程度使用すると劣化や機能不足を感じることが増えますが、部分的な改修が難しいため、大掛かりなリフォームになる可能性があります。
オーダーキッチンは、キッチンのデザインや機能を自由に設計できるため、こだわりのある方に特に人気があります。しかし、すべての人に適しているわけではなく、コストや施工期間などの点で考慮すべき点もあります。ここでは、オーダーキッチンのメリットとデメリットを詳しく解説します。
オーダーキッチンの最大の魅力は、完全オリジナルのキッチンを作れることです。システムキッチンでは対応できない変則的な間取りにも対応可能で、部屋の形状に合わせた設計ができます。例えば、コンロとシンクを分けたセパレート型や、アイランド型と壁付け型を組み合わせたハイブリッドデザインなど、自分のライフスタイルに最適なレイアウトを選べます。
システムキッチンでは限られた素材やカラーバリエーションしか選べませんが、オーダーキッチンなら木材・石材・ステンレス・タイルなど、多様な素材を選択可能です。例えば、天然大理石のワークトップ、無垢材のキャビネット、モルタル仕上げのカウンターなど、好みに合わせた組み合わせができます。キッチンのデザインを他の家具やインテリアと統一できる点も魅力です。
オーダーキッチンでは、収納の形状やサイズ、設備の配置を自分の使いやすいように設計できます。例えば、「調理家電をすべて収納できるパントリーを作りたい」「ゴミ箱スペースを収納内に組み込みたい」など、使い勝手を考慮した設計が可能です。また、海外製のビルトインオーブン、業務用ガスコンロ、大型の食洗機(ミーレ・ボッシュなど)を導入することもできます。
一般的なシステムキッチンは、耐用年数が15~20年程度ですが、オーダーキッチンは素材や設計次第でさらに長く使うことができます。パーツごとに交換やリフォームがしやすい設計にすることも可能で、必要に応じてワークトップや収納扉のみ交換するといったカスタマイズもできます。
オーダーキッチンは、すべてを自由に決められる分、コストが高くなる傾向にあります。一般的なシステムキッチンは50万~150万円程度で導入できますが、オーダーキッチンは100万~300万円以上かかることも珍しくありません。特に高級素材や海外製の機器を採用するとさらにコストが上がるため、予算に注意が必要です。
システムキッチンは工場で事前に製造されるため、短期間で設置できますが、オーダーキッチンは設計・製造・施工すべてがオリジナルのため、時間がかかります。設計だけで数週間~数カ月、製作に1カ月以上、施工に1~2週間かかることもあり、全体で3~6カ月以上の期間が必要になる場合もあります。そのため、急いでキッチンを導入したい場合には不向きです。
オーダーキッチンは職人の技術や施工会社のノウハウに依存するため、品質に差が出る可能性があります。設計ミスや施工の不備があると、「引き出しがスムーズに開かない」「ワークトップの継ぎ目が気になる」といった問題が発生することもあります。そのため、信頼できる施工会社やメーカーを選ぶことが重要です。
システムキッチンはメーカーの保証やアフターサービスが充実していることが多いですが、オーダーキッチンは施工会社や職人によって保証内容が異なるため、事前に確認が必要です。また、特注の素材や設備を使用する場合、交換や修理が難しいことがあり、長期的なメンテナンス計画を考えておく必要があります。
以上のように、システムキッチンには施工が簡単でコストが抑えられ、機能性に優れているというメリットがある一方、デザインやレイアウトの自由度が低く、特別なカスタマイズがしにくいというデメリットもあります。対してオーダーキッチンは、デザイン・素材・設備を自由に選べるため、こだわりのキッチンを作りたい人に最適ですが、コストが高く、施工期間が長くなるため、時間と予算に余裕がある人向けの選択肢と言えます。本記事を参考とし、理想のキッチン選びを実現させてください。
また、人工大理石のコーリアン®はデザイン性や耐久性が高く、キッチンカウンターでの使用に最適です。特にオーダーキッチンでキッチンカウンターを検討する際は、併せてコーリアン®とはを参考にし、採用を検討してみてください。