
デュポン・MCC株式会社
2025.02.21
受付カウンターはオフィスやホテル、病院など様々な施設で見かけると思います。これらの受付カウンターにはいくつかの種類があり、役割や必要とする機能によって適した高さ・素材を採用することが重要です。本記事ではそれぞれの特徴を比較しながら、どのような基準で受付カウンターを採用していくべきか、解説していきます。
受付カウンターには、利用シーンや目的に応じていくつかの種類があり、それぞれ適した高さが設定されています。ここでは、受付カウンターとして採用されることが多い「ハイカウンター」「ローカウンター」を中心に解説していきます。
ハイカウンターは、主に立ったまま対応することを想定した受付カウンターのことです。一般的な高さの目安は100cm〜110cm程度とされており、訪問者が書類に記入したり、荷物を一時的に置いたりするのに適しています。
・来訪者と受付スタッフの視線が合いやすいため、スムーズな対応が可能
・書類記入をはじめとした立ち仕事の業務負担を軽減できる
・受付スペースをコンパクトに設計できるため、省スペース化に向いている
・来訪者が座って待つ場合、圧迫感を感じることがある
・車椅子利用者や小さなお子様には利用しづらい
ローカウンターは、座った状態での応対を想定したカウンターで、一般的な高さは70cm〜75cm程度です。オフィスや病院、ホテルのフロントなどで見られることが多く、落ち着いた対応が求められる場面で採用されます。
・来訪者と受付スタッフが同じ目線の高さで対応でき、親しみやすい印象を与える
・車椅子利用者や子ども連れの来訪者にも優しい設計が可能
・座った状態での対応が基本のため、長時間の業務でも負担が少ない
・立ち仕事が多い受付の場合、ローカウンターだと各業務が実施しづらく、負担が大きくなる
・ハイカウンターに比べて場所を取るため、スペースに余裕が必要
ハイカウンターとローカウンターの他に、それらの中間の高さのカウンターや、特定の用途に特化したカウンターも存在します。
・高さは85cm~95cm
・立っても座っても対応しやすい高さ
・多目的スペースや商業施設での案内カウンターに適している
・車椅子利用者向けに高さを60cm〜70cm程度に設計
・一般的なカウンターと組み合わせて併設することが多い
・必要に応じて高さを調整できるタイプ
・イベント会場や期間限定の受付スペースで活用される
受付カウンターの高さは、利用者の利便性を考慮して適切に設計することが重要です。立ったまま対応するならハイカウンター(100cm〜110cm)、座って対応するならローカウンター(70cm〜75cm)、その中間やバリアフリーを考慮するならミドルカウンターや特別仕様のカウンターを選ぶのが理想的です。 設置場所や用途に応じて、適切なカウンターを選びましょう。
受付カウンターは高さだけでなく、幅も来客対応のしやすさや業務の効率性に影響を与える重要な要素です。幅の設計には、カウンターの設置場所や利用シーンを考慮し、適切なサイズを選ぶことが求められます。基本的に受付カウンターの幅は、1人分のスペースなら90cm~120cm、複数人対応なら180cm以上を目安に設計するのが理想的です。高さと併せて幅についても事前に検討するようにしましょう。
受付カウンターの高さは、業種や用途によって適切なサイズが異なってくるため、ハイカウンターとローカウンターのどちらが適しているのかを選ぶことが重要です。ここでは、ハイカウンターとローカウンターの業種別の利用シーンと、それぞれの適切な高さについて解説します。
・立ったままの来客対応が多く、スムーズに受付を済ませられる
・受付内の作業スペースが見えにくく、セキュリティやプライバシーの確保がしやすい
・滞在客が短時間でチェックイン・チェックアウトを行えるように設計
・立ったままの手続きが基本なので、やり取りしやすい高さに設定
・患者が来院時にスムーズに診察券を出したり、会計をしたりできる高さ
・プライバシー保護のため、内部のPC画面や書類が見えにくい設計が求められる
またハイカウンターを採用する場合でも、一部にローカウンターを設置することで、車椅子利用者にも対応しやすくなります。
・来訪者が座って対応することが多いため、落ち着いて手続きができる高さ
・申請書の記入や、長時間の相談対応がしやすい設計
・患者が椅子に座ったまま、薬の説明を受けたり、会計をしたりできる高さ
・車椅子利用者や高齢者にも優しい設計
・お客様が地図を広げたり、案内を受けたりする際に、低めのカウンターが適している
・子どもや高齢者など、さまざまな年齢層に対応しやすい
これらはあくまで一例であり、前述の通り利用シーンや目的に応じて適切な高さのカウンターを採用するようにしましょう。
受付カウンターは高さや幅の他に、デザイン性・耐久性・メンテナンスのしやすさなどの観点から素材を慎重に検討する必要があります。適切な素材を選ぶことで、高級感の演出や衛生管理の向上にもつながります。ここでは、受付カウンターに適した代表的な素材とその特徴を紹介します。
人工大理石は、受付カウンターに高級感を持たせつつ、メンテナンスのしやすさを兼ね備えた素材として人気があります。見た目は天然石に近く、滑らかな質感が特徴です。また耐水性に優れており、汚れがつきにくいため、日々の清掃も簡単に行えます。特にホテルのフロントや企業の受付など、来訪者に上質な印象を与えたい空間に適しています。 なかでも、人工大理石のコーリアン®はアクリル系の人工大理石であり、デザイン性や加工性、耐久性が高く、カウンターでの使用に最適です。コーリアン®について、より詳しい内容を知りたい方はコーリアン®とはを参考にしてください。
メラミン化粧板は、木材や合板の表面にメラミン樹脂を加工した素材で、耐久性の高さが特徴です。水や汚れに強く、傷がつきにくいため、オフィスの受付や病院、役所など、人の出入りが多い場所に適しています。さらに、デザインのバリエーションが豊富で、木目調や石目調など、さまざまな仕上げが可能です。比較的、コストも抑えられるため、コストパフォーマンスを重視する場合にも適した選択肢となります。
木材を使用した受付カウンターは、自然な風合いと温かみのあるデザインが魅力です。特に無垢材は、使い込むほどに味わいが増し、経年変化を楽しむことができます。一方で、湿気や乾燥による伸縮があるため、定期的なメンテナンスが必要です。そのため、無垢材の風合いを活かしながら扱いやすさを向上させた「突板(つきいた)」を採用するケースも多く見られます。突板は、天然木を薄くスライスして合板に貼り付けたもので、無垢材よりもコストを抑えながら、木の質感を楽しめるのが特徴です。木材を使用したカウンターは、カフェや美容院、クリニックなど、ナチュラルで落ち着いた雰囲気を大切にする空間に適しています。
ガラス素材を使用した受付カウンターは、透明感があり、スタイリッシュで洗練された印象を与えます。特に、ショールームやデザイン性を重視する企業の受付では、モダンで高級感のある空間を演出するために採用されることが多いです。強化ガラスを使用すれば、ある程度の耐久性を確保することも可能ですが、傷がつきやすく、指紋や汚れが目立ちやすいという課題があります。そのため、常に美しさを保つためには、こまめな清掃が必要になります。
受付カウンターは、来訪者が最初に目にする場所であり、企業や施設の印象を左右する重要な場所です。適切な高さ・素材を選ぶことで、使いやすさと美しさを両立させた理想的な受付空間を実現できます。 設置場所や用途に応じて最適なデザインを選び、快適な受付カウンターの環境を整えましょう。 また人工大理石のコーリアン®はデザイン性や加工性、耐久性が高いため、受付カウンターの素材に適しています。コーリアン®について、より詳しい内容を知りたい方はコーリアン®とはを参考にしてください。