人工大理石の傷を補修するには?
分かりやすく解説

2025.05.08

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人工大理石はその美しい見た目と耐久性の高さから、多くの家庭や商業施設で使用されている人気の素材です。しかし、日常使用するなかでどうしても傷がついてしまうことがあります。この記事では、人工大理石の傷を補修するための基本知識や具体的な方法について詳しく解説します。正しい方法で傷を補修して、美しさを維持しましょう。

人工大理石の傷を補修するための基本知識

人工大理石の傷を補修するための基本知識

人工大理石の傷を補修するためには、まず素材の特性を理解することが重要です。人工大理石は耐久性が高いため、日常的な使用であれば傷や欠けは滅多に起こりませんが、万が一傷がついてしまった場合は早めに対処する必要があります。適切なアプローチを取ることで、美しい状態を永く保つことができます。

人工大理石とは何か

人工大理石とは、主にアクリルやポリエステル樹脂などが使われ、これに骨材や顔料などを混ぜて成形された素材です。見た目は天然大理石に非常に近く、色や模様も多様です。
さらに、軽量で丈夫なため、施工も容易で費用を抑えることができます。また、人工大理石は日頃のお手入れも手軽にできるため、キッチンカウンターや洗面台などの水回りから家具の素材まで幅広く利用されています。

人工大理石の特徴と利点

人工大理石の特徴として、まずその美しさが挙げられます。天然大理石に劣らない高級感を持ち、色や模様のバリエーションが豊富です。さらに、合成素材なので均一な品質と仕上がりが期待できるのも利点です。同時に、耐久性が高く、衝撃にも強いので長期間使える点も大きなメリットとなります。
もう一つの特徴は、そのメンテナンス性です。人工大理石は汚れや液体が染み込みにくく、日常の掃除も簡単です。毎日のお手入れであれば、汚れや水アカなどは水拭き、またはキッチン用洗剤を浸した布で拭くだけで十分に綺麗になります。さらに、使い込んでいくと自然に表面に艶がでてきます。
また人工大理石はコストパフォーマンスが良い点も見逃せません。天然大理石に比べて価格が抑えられながらも、同様の高級感を演出できます。また加工の自由度が高いので天然の大理石よりも施工が簡単で、リフォームや新築にも適した素材です。なかでも、キッチンカウンターや洗面台などの住宅設備において、その利点が最大限に生かされています。

補修が必要になる原因

人工大理石の補修が必要になる原因は、いくつかの要素に分けられます。まず、日々の使用による小さな傷や摩耗があります。特にキッチンカウンターや洗面台など頻繁に使用される場所では、細かな傷が生じて目立つことがあります。
次に、重い物を落とすなどの衝撃によって生じる深い傷も原因となります。こうした深い傷は、自己補修が難しい場合が多く、専門の補修業者に依頼することが望ましいです。
さらに、化学薬品の使用も補修が必要になる原因の一つです。酸性やアルカリ性が強い洗剤が表面に残っている状態だと、素材を傷つける可能性があります。そのため、人工大理石には中性のクリーナーを選び、日常のメンテナンスを行うことが推奨されます。これらの原因を理解し、適切な対策を取ることで、人工大理石の美しさを永く保つことができます。

人工大理石の傷を補修するための具体的な方法

人工大理石の傷を補修するための具体的な方法

人工大理石の傷を補修する方法はメーカーごとに異なるため、基本的にはメーカー推奨の手順をもって補修することが重要です。その上で以下では、一般的な人工大理石の補修方法を紹介します。コーリアン®の推奨する方法とは異なる手順であるため、コーリアン®の補修について知りたい方はCORIAN® 設計/加工/施工ガイドを参考としてください。

表面傷の簡単な補修方法

人工大理石の表面に浅い傷がついた場合、基本的な補修方法を知っておくと便利です。まず、傷ついた箇所をきれいに拭き取ることが大切です。これにより、傷の状態が明確になり、次のステップに進むことができます。
次に、柔らかい布やスポンジたわしに中性洗剤やクリームクレンザーを使って表面を軽く磨きます。必ず使用後に水拭きをするのを忘れないようにしましょう。軽微な表面の傷の場合はこれだけでも目立たなくなることがあります。それでも傷が消えない場合は、以下のステップを参考にしてください。

深い傷の補修ステップ

深い傷がついた場合は、補修の手順が少し複雑になります。まず、傷の内部を徹底的に清掃します。これにより、補修材料が傷にしっかりと定着することが可能になります。清掃後、完全に乾かします。
次に、深い傷を埋めるための特殊なパテを使用します。このパテは人工大理石の色と質感に合わせたものを選ぶのがポイントです。パテを傷に詰め、余分な部分をスクレーパーで取り除きます。そして、完全に乾燥させます。
乾燥後、細かいサンドペーパーで表面を軽く磨きます。この作業により、パテが平らになり、元の表面と馴染むことができます。最後に、仕上げ研磨を行うことで滑らかさと光沢を取り戻します。このように深い傷でも、適切な手順を踏むことで目立たなくすることが可能です。

以上、一般的な人工大理石の補修方法をご紹介しましたが、コーリアン®の淡色の場合は、#240のサンドペーパーで傷を落とす、#400のサンドペーパーで表面の粗さをなじませ、最後に#600またはスコッチブライトで整える、といった手順をとります。濃色はサンドペーパーやスコッチブライトの使用はNGのため、傷が気になる場合は業者へ依頼することになります。

研磨と仕上げのコツ

補修が完了した後は、研磨と仕上げが重要です。まず、研磨の際には、きめ細かいサンドペーパーを使うことが大切です。軽く持ち、均一に磨くことで表面が滑らかになります。
次に、専用の研磨剤を使って仕上げます。この研磨剤は、人工大理石の特性に合わせたものを選びます。研磨剤を布に取り、円を描くように磨いていきます。この作業によって光沢が復活し、美しい仕上がりが得られます。
最後に、乾いた布で全体を拭き取り、不要な研磨剤を取り除きます。これにより、表面がさらに滑らかになり、傷が完全に補修されていることを確認できます。研磨と仕上げは簡単ですが、丁寧に行うことで人工大理石の美しさを保つことができるでしょう。

コーリアン®の場合は、もともとがマットな表面のため、研磨剤を使用することは推奨していません。#400~#600程度のサンドペーパーもしくはスコッチブライト(緑の面)を使って仕上げを行います。

よくある傷の補修ミスとその対策

よくある傷の補修ミスとその対策

人工大理石の補修作業には細かな技術が求められますが、そのなかでもよくあるミスとして過剰な研磨や補修材の選び間違いがあります。ここでは具体的なミスとその対策について詳しく説明します。本項もコーリアン®に関しては異なる場合があるため、コーリアン®の補修について知りたい方はCORIAN® 設計/加工/施工ガイドを参考としてください。

過剰な研磨の危険性

人工大理石の過剰な研磨は、補修作業における大きなリスクとなります。それは、表面を削りすぎることで素材そのものを傷めてしまうからです。このような状況はデリケートな素材で起こりやすいため、研磨はあくまで慎重に行いましょう。

コーリアン®は無垢材のため、素材そのものを傷めることはありません。しかし表面の粗さが変わるため、研磨後は周囲の艶感と揃うよう番手を調整したサンドペーパーやスコッチブライトで整える、もしくは全面を仕上げ研磨して整えるという工程を丁寧にとりましょう。

補修材の選び方を間違えた場合

補修材を選び間違えることも、一般的なミスの一つです。各素材には最適な補修材があり、選び間違えると補修効果が期待できません。 材質に応じた補修材を使うことで、長持ちする補修が可能になります。また、使用する前に、相性や特性をよく確認しましょう。説明書をよく読むことも重要です。適切な補修材を用いることで、補修後の劣化を防ぎます。
補修材の使用条件も注意が必要です。温度や湿度など環境によって効果が変わるものもあります。これらの点を踏まえた上で、補修材を正しく選択することが求められます。

コーリアン®に関しては上述の通り、淡色の場合はサンドペーパーとスコッチブライトでの研磨補修を推奨しています。それでも落とせない場合は業者へと相談をし、工具を使っての研磨によるメンテナンス、もしくはその部位を切り取って共材を埋める埋木補修での対応が主となります。

まとめ

人工大理石の傷の補修は、傷の種類や深さに応じて正しい方法を選ぶことがポイントです。DIYで手軽に補修できる場合もありますが、広範囲や深刻な傷はプロに依頼するのが望ましいです。適切な補修を行い、美しい人工大理石を維持しましょう。 コーリアン®の場合、色柄によりお手入れや傷の補修方法に違いがあります。より詳しい内容を知りたい方は コーリアン®のお手入れ方法とご使用上の注意をご覧ください。