デュポン・MCC株式会社
2024.12.23
人工大理石と人造大理石は、どちらも見た目に高級感があり、天然石のような美しさを持つ素材です。しかし、素材や製造方法が異なるため、それぞれの使い勝手や用途も異なります。特に人工大理石のなかで人気のあるコーリアン®は、優れた耐久性と加工のしやすさから、さまざまな場所で活用されています。本記事では、人工大理石と人造大理石の違いを詳しく解説し、それぞれの特徴や選び方のポイントについてもご紹介していきます。
人工大理石と人造大理石は、見た目が似ているため混同されやすいですが、実際には異なる素材です。それぞれの特徴と用途を理解することで、どちらを採用すべきか正しく判断できるようになります。まずはそれぞれの成分の違いや特徴についてみていきましょう。
人工大理石は、アクリルやポリエステルなどの樹脂を主成分にした素材です。樹脂を基材とすることで柔らかく加工が容易で着色もしやすいため、カラーやパターンが豊富な点が特徴です。さらに水にも強いため、キッチンカウンターや洗面などさまざまなインテリアに対応できます。
人工大理石の一つであるコーリアン®は、アクリルのなかでもメタクリル樹脂を原料としており、汚れがつきにくく、傷がついた場合でも研磨によって再生できるため、水回りなどの使用頻度の高い場所に最適です。またコーリアン®は、専用接着剤を使用することで接合部分が目立たないシームレスな仕上がりが可能で、美しい見た目が求められる場所でも優れたパフォーマンスを発揮します。さらに、耐久性も高く、屋内外での使用が可能なのも特徴です。
人造大理石は、セメントや石膏で天然の大理石粉末を固めた素材で、天然石に近い質感と重厚感が特徴です。人工大理石よりも材質がやや硬質なため、キッチンのカウンタートップや床材などの板状の製品として多く使用されています。
また、人造大理石は天然の大理石よりも手頃な価格で、天然石のような風合いを楽しみたい方におすすめです。しかし、人工大理石と比べて重量があり、設置にはしっかりとした構造が必要になります。さらに、コーティングにより水にも耐える仕様になっていますが、耐水性の観点で人工大理石には劣っているため、定期的なメンテナンスが推奨されます。
人工大理石と人造大理石の特徴を、耐久性やメンテナンス性などの様々な観点から比較します。人工大理石はアクリル系とポリエステル系など製品によっても細かな特徴の差があるため、詳細は各メーカーの取り扱いページにてご確認ください。
特徴 | 人工大理石 | 人造大理石 |
---|---|---|
主成分 | アクリル樹脂、ポリエステル樹脂 | 天然大理石粉末+セメント、石膏 |
加工性 | 高い(軽量で加工しやすい) | 低い(重量があり、加工には専用機械が必要) |
耐熱性 | 普通(製品次第で100〜200℃程度) | 普通(製品次第で100〜200℃程度) |
デザイン性 | 高い(多彩なカラーやパターン) | 限定的(天然石の風合いに近い色調) |
メンテナンス性 | 高い(汚れがつきにくく掃除が容易) | 低い(汚れが染み込みやすく、定期的な手入れが必要) |
人工大理石と人造大理石を選ぶ際は、使用場所や求める性能に応じた素材選びが重要です。以下の用途別の選び方を参考にしてください。
耐汚染性と耐熱性が求められるキッチンカウンターには、コーリアン®のような人工大理石が適しています。汚れがつきにくく、掃除が簡単であるため、日常のメンテナンスを楽にすることができます。
天然石のような重厚感と高級感が求められる場所には、人造大理石が向いています。
人工大理石のコーリアン®は紫外線にも比較的強い色もあるため、不燃指定以外の用途であれば、屋外で使用することも可能です。
人工大理石のなかでも特に人気のあるコーリアン®は、他の人工大理石とは異なる特徴を持っています。コーリアン®は、耐候性や耐久性に優れ、汚れがつきにくいため、キッチンや洗面、さらには屋外での使用にも適しています。また、コーリアン®は抗菌性も備えており、細菌やカビの発生を抑えるため、衛生面でも優れた素材です。
さらに、人工大理石も人造大理石も熱に弱いという印象がありますが、そのなかでもコーリアン®は厳しい審査をクリアしており、他の製品に比べて耐熱性が高いのが特徴です。
他にも、コーリアン®はカラーバリエーションも豊富で、多彩なデザインや色調を楽しむことができます。例えば、白やグレー、ベージュといった落ち着いた色合いから、鮮やかな色合いまで選択肢が多く、住宅だけでなく店舗などのインテリアに合わせたカスタマイズが可能です。また、コーリアン®は曲線加工も容易で、複雑な形状のカスタムメイドも可能です。
コーリアン®のカラーについて、より詳しい内容はコーリアン® カラー一覧を参考にしてください。また、コーリアン®の加工について知りたい場合は、加工例を参考にしてください。
人工大理石にはアクリル系とポリエステル系の2つの主要な素材があります。
コーリアン®はアクリル系人工大理石の代表格で、耐久性とメンテナンス性が高いことから、キッチンや洗面で広く使用されています。
アクリル系人工大理石はアクリル系の樹脂がベースでつくられている人工大理石です。耐候性が高く、紫外線や湿気に強いため、屋外でも使用が可能です。コーリアン®はシームレスな接合が可能で、美しい仕上がりが求められる場所に適しています。さらに、傷がついた場合でも研磨によって再生できるため、長期間の使用にも適しています。
ポリエステル系人工大理石は、ポリエステル系の樹脂に無機物を混ぜてつくった人工大理石です。アクリル系に比べて価格が安く、内装やアクセントとして使用されることが多い素材です。カラーバリエーションが豊富で、デザイン性を重視する場所に適していますが、耐候性や耐熱性はアクリル系に劣り、汚れ落ちがアクリル系人工大理石に比べて良くない等のデメリットもあります。
人工大理石や人造大理石は、他の素材ともよく比較されます。ここでは、天然大理石や御影石、クォーツストーンとの違いについて解説します。
天然大理石は独特の模様が魅力で、床や壁など高級感が求められる場所で人気です。ただし、自然素材なので吸水性が高く汚れがつきやすいことから、定期的なメンテナンスが必要です。特に酸性の食品や飲料には弱いため、キッチンでの使用には注意が必要です。
御影石は非常に硬度が高く、屋外での使用にも耐えるため、外壁や庭の石畳に適しています。また、御影石は汚れに強く、長期間にわたって美しさを保つことができるため、耐久性を重視する場所に最適です。
クォーツストーンは天然石英と樹脂を混合した人工石材で、硬度が高く耐久性に優れています。また、汚れや傷がつきにくいことから、キッチンやバスルームのカウンタートップに適しています。色むらが少なく、安定した品質が期待できるため、デザインにこだわりたい場合にもおすすめです。
このように、人工大理石と人造大理石はそれぞれ異なる特徴を持つため、使用場所や求める性能によって選び方が異なります。また、人工大理石の中でもアクリル系とポリエステル系などの種類があり、それぞれ特徴が異なります。人工大理石のコーリアン®はデザイン性や耐久性が高く、キッチンや洗面での使用に最適です。コーリアン®について、より詳しい内容を知りたい方はコーリアン®とはを参考にしてください。一方で、天然石に近い見た目が求められる場所には人造大理石が適しています。各素材の特徴を理解し、適材適所で使用することで、インテリアをより美しく、長持ちさせることができます。