
デュポン・MCC株式会社
2025.05.02
人工大理石は、キッチンや洗面台などのインテリアによく使用される高級感のある素材です。しかし、長年使用していると黄ばみが発生することがあり、その除去に苦労する方も多いでしょう。本記事では、人工大理石が黄ばむ原因を詳しく解説し、効果的な掃除方法と注意点を紹介します。人工大理石を清潔で美しい状態に保つため、ぜひ参考にしてください。
人工大理石は高い耐久性を持つ一方で、長年使用すると黄ばみが目立つ場合があります。また人工大理石の中でも、その種類によって原因や影響の受けやすさに差があります。以下では一般的な人工大理石が黄ばむ原因を解説します。
紫外線は人工大理石に大きな影響を与える要因の一つです。太陽光に含まれる紫外線は、人工大理石の表面を構成する樹脂部分にダメージを与え、素材の化学変化を引き起こします。特に窓辺に配置されたキッチンカウンターや、屋外で使用される人工大理石の家具は紫外線の影響を受けやすくなります。例えばキッチンのカウンターに直射日光が当たり続ける場合、数ヶ月で黄ばみが顕著になることがあります。
一方でアクリル樹脂を原料としているコーリアン®は耐候性が高いことから室内で紫外線の影響を受けることは少なく、屋外の場合も濃色は影響を受けやすいですが、白は影響が少ないです。
人工大理石の表面は、一見汚れがつきにくそうに見えますが、実際には油汚れや食品からの色素が徐々に浸透してしまうことがあります。たとえば、調理中に飛び散った油が放置されると酸化し、黄ばみの原因となります。また、カレーやコーヒー、赤ワインなど色素の濃い食品は、時間が経つと表面にシミとして残ります。
特に日々の使用でこれらの汚れが蓄積する場合、こまめな掃除を怠ると黄ばみが定着してしまいます。コーリアン®は、均質なソリッド材なので、汚れが浸透しにくく、簡単なお手入れで汚れを落とすことができます。
人工大理石も他の素材と同様に、時間が経過することで劣化します。これは、樹脂部分が酸化し、もともとの白さや透明感を失うためです。また、細かい傷が汚れの付着を助長することで、黄ばみがさらに目立つようになります。
一方でコーリアン®の場合、屋外等の特別な環境下でない限り経年劣化の心配は少なく、安心して採用することができます。
人工大理石の黄ばみを落とす方法はメーカーごとに異なるため、基本的にはメーカー推奨の手順をもって掃除することが重要です。その上で以下では、一般的な人工大理石の黄ばみを掃除する手順を紹介します。コーリアン®の場合とは異なる手順であるため、コーリアン®の場合を知りたい方はコーリアン®のお手入れ方法とご使用上の注意を参考としてください。
まずは、黄ばみの範囲や程度を確認しましょう。軽度の場合は中性洗剤で対応可能ですが、重度の場合は専用の人工大理石用クリーナーを用意する必要があります。状態を正確に把握することで、無駄な労力を省くことができます。
例えば、指で触った際にざらつきがある場合は、汚れが付着している可能性が高いです。一方で、表面が滑らかで黄ばみが内部に浸透している場合は、根気強い掃除が求められます。
人工大理石に使用できる洗剤としては、中性洗剤や人工大理石専用クリーナーがおすすめです。環境に優しい方法を試したい場合は、重曹やクエン酸を使用するのも効果的です。
具体的には、以下のような洗剤を用意してください:
・中性洗剤(家庭用台所用洗剤で十分)
・重曹(黄ばみが軽い場合)
・人工大理石専用クリーナー(頑固な黄ばみに対応)
洗剤を黄ばみの部分に直接塗布します。この際、汚れの程度に応じて洗剤の濃度を調整します。例えば、軽い汚れには薄めた中性洗剤を使用し、頑固な黄ばみには濃い目の専用クリーナーを使います。
塗布後は、5〜10分ほど放置して、洗剤が汚れに浸透するのを待ちましょう。この時間を守らないと効果が十分に発揮されません。
黄ばみが浮き出てきたら、柔らかい布やスポンジでこすり洗いを行います。注意点として、金属製のブラシや硬いスポンジの使用は避けてください。これらは表面に細かな傷をつける原因となり、汚れが再付着しやすくなります。コツとして、円を描くように優しくこすることで、洗剤をムラなく行き渡らせることができます。
すすぎは流水で十分に行い、洗剤が残らないようにしてください。掃除後、乾いた布で水分を拭き取り、風通しの良い場所で完全に乾燥させます。
また上述した通り、人工大理石の中でもコーリアン®の場合、掃除方法や黄ばみの落とし方に違いがあります。コーリアン®は、一般的に家庭で使われている掃除道具での掃除方法を推奨しています。さらにコーリアン®は濃色系とその他の色とでもメンテナンス方法が異なりますので、より詳しい内容を知りたい方はコーリアン®のお手入れ方法とご使用上の注意をご覧ください。
ここまで人工大理石の黄ばみの掃除方法について紹介してきましたが、使用する洗剤や道具を誤ると人工大理石を傷つけてしまう恐れがあります。以下では、一般的な人工大理石を効果的に掃除するための注意点を詳しく解説します。こちらもコーリアン®の場合とは注意点が異なることがあるため、コーリアン®の場合を知りたい方はコーリアン®のお手入れ方法とご使用上の注意を参考としてください。
人工大理石は化学薬品に敏感な素材です。特に以下のような洗剤の使用は避けてください。
塩素系漂白剤は、人工大理石の樹脂部分に強いダメージを与える可能性があります。これにより、表面が白化したり、ざらつきが発生したりすることがあります。特に、キッチンや洗面台で頻繁に使われる場合、表面が曇り、元の輝きが失われる原因となります。
強力なトイレ用洗剤などに含まれる硫酸や塩酸といった成分は、人工大理石を劣化させる恐れがあります。これらの成分は素材を腐食させるだけでなく、微細なクラック(ひび割れ)を引き起こし、汚れがさらに溜まりやすくなります。
強アルカリ性の洗剤(排水管クリーナーなど)も避けるべきです。これらは樹脂部分を変質させ、耐久性を損ないます。
一部のクレンザーは細かい粒子を含み、人工大理石の表面に傷をつける可能性があります。傷がつくと、そこに汚れが入り込みやすくなり、黄ばみが再発する原因になります。
人工大理石を掃除する際、適切な道具を使用しないと、素材を傷つけるリスクがあります。以下の道具は避けるようにしましょう。
金属製のたわしやブラシは、人工大理石の表面を傷つける最大の原因です。これらの道具を使用すると、目に見えない微細な傷がつき、その傷が汚れや黄ばみの溜まり場になる可能性があります。
プラスチック製のスクレーパーでも、硬い素材のものは注意が必要です。特に力を入れすぎると、表面が削れることがあります。
一部の汚れを落とすために高圧洗浄機を使用したいと考えるかもしれませんが、高圧の水流が人工大理石の接着部分を劣化させる可能性があります。
人工大理石の黄ばみは、紫外線や汚れ、経年劣化が原因で発生しますが、適切な掃除方法をとることで改善が可能です。本記事で紹介した手順や注意点を参考に、黄ばみのない清潔な状態を保ちましょう。日々の掃除と予防を心がけることで、人工大理石の美しさを長く楽しむことができます。 また、人工大理石の中でもコーリアン®は均質な無垢材であり、調味料の黄ばみや汚れが染み込みにくく、万一汚れてしまっても、簡単に拭き取ることができます。コーリアン®について、より詳しい内容を知りたい方はコーリアン®とはをご覧ください。