PHOTO:YOSHIHITO IMAEDA
リビング側に大きなアールを描くフォルムと、天板と側面が滑らかに連続する面構成が印象的なアイランドカウンター。シームレスジョイントにより、石の塊から削り出したような一体感のある造形を実現している。
デュポン・MCC株式会社
2026.8.7
PHOTO:YOSHIHITO IMAEDA
リビング側に大きなアールを描くフォルムと、天板と側面が滑らかに連続する面構成が印象的なアイランドカウンター。シームレスジョイントにより、石の塊から削り出したような一体感のある造形を実現している。
Y氏邸は、築27年のマンションをフルリノベーションした住まい。和室を含む間仕切りを取り払い、20畳を超える伸びやかなLDKへと刷新された。南側に大きく開いた窓からたっぷりと自然光が差し込み、眺望の良さも相まって、都会のマンションとは思えないほど開放的な空間が広がる。
LDKでとりわけ目を引くのが、壁付けキッチンの前にゆったりと佇む、やわらかな丸みを帯びた箱のようなフォルムのアイランドカウンターだ。
「普通の住宅では見かけない独創的なキッチンにしたくて。流麗な石の塊が空間にそのまま置かれているようなイメージを思い浮かべました」とY氏。海外のインテリア写真を参考にしながら、ご自身の理想とするデザインを追求し、たどり着いたのが白の大きなアイランドカウンターを主役にしたインテリア空間だったという。アールの意匠はアイランドカウンターだけでなく、隣接する壁面や窓側の造作壁にも用いられ、LDK全体にやさしく上品な統一感を生み出している。
壁付けキッチンと向き合う機能的な配置ながら、独創的な造形がLDKの中心でアートオブジェのような存在感を放つ。底部に組み込んだ間接照明により浮遊感が強調され、ボリュームのあるカウンターを軽やかに見せている。
リビングから見えないキッチン側には、引き出しや家電スペースを備え、ゴミ箱もすっきり収納。奥行きは約900mmとワイドで、配膳やホームパーティーにも使いやすい設計となっている。
Y氏は手描きのスケッチを持参し、オーダーメイドキッチンで定評のある株式会社田中工藝に相談。「Y様の思いを形にできるのは、加工性に優れたコーリアン®だけでした。他の素材では難しい大きなアール形状も、コーリアン®ならば美しく実現できます。しかも継ぎ目をほとんど感じさせない仕上がりになるので、“石の塊”のような一体感をしっかりと表現できました」と同社専務取締役の田中智也氏は語る。
実際、アイランドカウンターは天板から側面へとシームレスにつながり、一体成形のような美しさを見せている。搬入経路の都合で分割し、現場で接着を施した箇所もあるが、「どこに継ぎ目があるのかわからないほど自然」とY氏が言うように、職人技の高さとコーリアン®の素材特性が際立つ仕上がりだ。
大きなアールを描くコーナーの美しい仕上がり。どの角度から見ても、天板と側面の継ぎ目を感じさせない一体感のある形状を高精度で実現できるのも、加工性に優れたコーリアン®の特長だ。
選ばれた色柄は透明感を帯びた「ホワイトオニックス」。ホワイトベースに浮かび上がるダイナミックな流れ模様が、カウンターに洗練された気品を生んでいる。
「複数のサンプルを自然光のもとで比較し、CGパースでも見え方を確認しながら検討を重ねた結果、天然石らしい存在感を出せる“ホワイトオニックス”を選びました。壁付けキッチンの天板も同じ色柄にして統一しましたが、とても気に入っています。やわらかな流れ模様が光の加減によって表情を変え、朝の自然光の中でも、夜の間接照明の下でも上質な美しさを見せてくれます」とY氏は笑顔を浮かべる。
見た目だけではなく、日々の使い勝手にもこだわっている。カウンターの奥行きは約900mmとゆとりがあり、配膳や調理の仮置き、さらにはホームパーティーのビュッフェカウンターとしても活躍する。実際、ご友人を招くと自然にここに集まり、会話を楽しみながら料理を囲める場所となっているそうだ。
明るい木目のキャビネットに、「ホワイトオニックス」の天板が調和する壁付けキッチン。やわらかな流れ模様は光の加減によって繊細に表情を変え、清潔感のある上品な印象を与えている。
また、キャビネットのキッチン側には引き出し収納、ゴミ箱スペース、家電収納をすっきりと内包し、生活感を極力見せない工夫が施されている。白いキッチンで気になる汚れについても、「お醤油やコーヒーをこぼしても拭けばすぐきれいになりますし、落ちにくい汚れもメラミンスポンジで軽くこすれば落とせますから、あまり神経質にならず、楽しく料理ができます」と満足度は高い。小さなお子様と一緒に料理を楽しむ場面でも、気兼ねなく使えることが安心感につながっているという。
「毎日見ても、やっぱり素敵だなって思います。コーリアン®は手で触れたときに冷たすぎず、しっとりとした感触が味わえるところも好きですね」とY氏。天然石のような高級感を持ちながら、日常使いに適した素材特性が、暮らしの快適さを支えている。
(文:菱沼 晶)
洗面化粧台は2ボウル仕様のホテルライクなスタイルに。カウンターにはコーリアン®「ライスペーパー」を採用。カウンターとボウルを一体成形し、美しさと清掃のしやすさを両立させている。
【福岡Y氏邸】
●キッチンデザイン・設計・製作/株式会社田中工藝
●コーリアン®加工/高島株式会社
●使用色/ホワイトオニックス、ライスペーパー